【No.005】女は男の未来だ

イリー・K

2006年10月20日 14:00



●3月25日鑑賞
’04/韓国=フランス/88分 
監督:ホン・サンス 
出演:ユ・ジテ、キム・テウ、ソン・ヒョナ


 “韓流”という言葉は韓国のエンタティメントを表す呼称として世間にすっかり浸透された。
 私はこれを初めて知ったとき自慢げに「カンリュウだろ?」とあちこちにひけらかしていたのだが、後にこれを「ハンリュウ」と読むのが正しいことを知り、釈然としない気持ちを抑えつつ、少々恥ずかしかった。

こんな苦い経験をしたのは私だけか。いや、ほかにもいるはずだ。ましてや今このページを見て初めて知った方もいるかもしれない。そんな方はぜひ私にご一報ください。これで無料招待券の当選率がアップするかも(ウソ)。

 そんなわけで今回鑑賞したのはもう誰にもその勢いを止められない韓国映画である。今やワイドショーでは韓国スターが来日となるとトップニュースで紹介され、大手レンタルビデオ店を覗けば、韓流コーナーなるものが全体の三割弱を占め(目測)、ついには日本のドラマ界が韓国女優を主演に抜擢(チェ・ジウの「輪舞曲」)するなど、まさに「猫も杓子も韓国映画」といった状態だ。意味がよく分からんが。

 『女は男の未来だ』はかつて三角関係にあった三人の男女の姿をとおし、オトコとオンナの生態を悲喜こもごも描いた恋愛映画である。
 恥をしのんで申し上げると私は恋愛経験などというものは極めて少ない。したがってこのテの映画は苦手である。ではなぜ今回この作品を選んだのか。その理由はたったひとつ「エロそうだから」。
 まずはこのタイトル。どことなく意味深で哲学的だ。そもそもタイトルに「男」と「女」が付いた映画は大抵エロい。それにパンフレットの紹介文には?酒とおしゃべりとセックス?ときたもんだ。そして決定的だったのは、本作のポスターには主演の男女三人が写っており、中央にいる女性が左側男性の頭の後ろへ手を回しているのだが、ノースリーブの為細い二の腕から脇の下が露わになっていた。私はこれにノックアウトされてしまった。

 世の中あまたと映画ポスターがあっても、脇を見せているポスターなどそうはない。その美しい脇からはそこはかとないエロさが漂っていた。CSチャンネルでやっている「コリアンエロス」には見向きもしない私が初めて性的興味をそそられた瞬間だった。これはもう観るほかはないだろうと熱くみなぎる下半身をおさえつつ、いざ劇場へ。

 さてここから感想であるが、週刊誌的な言い回しをすれば「主演女優がその肢体を惜しげもなく披露」され、エロさ加減は期待したほどではなかったものの、ポルノ映画のようなえげつなさは無く生々しさが絡められてあって、まぁこんなものかと自分自身(というか下半身)に納得させた。
 しかしここで会社の経費で観て、エロいエロくないだけでこのコラムを終始させてしまっては、このコーナーの名が廃るというものだ。もう廃ってるけど。ほかに得られるものはないかと一応アンテナを張って観たのだが、結局何もわからないまま映画は終わってしまった。

 一体何が言いたかったんだろうと頭を抱え劇場ロビーのポスターを眺めていたら、小さなコピーが目に入った。
“男ってほんとダメね”
 ダメな男?
 ハッ!私のことではないか!!
 単なるスケベ根性丸出しで観て何もわからなかった私はほんとダメな男でした。めんぼくない。



ボン評価は…
☆ おもしろい ○まあまあ △つまらない ×クズ
の4段階評価です。

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