【No.067】自虐の詩
’07/日本/カラー/115分
監督:堤幸彦
出演:中谷美紀、阿部寛、遠藤憲一、カルーセル麻紀、西田敏行
『自虐の詩』を観た。初日の初回に。休みだった当日いつもより目覚めがよかったので新聞に目を通してたら、映画広告の本作の上映時間が充分間に合う時間だったので、即支度して南風原に直行。
いやぁ、しかし朝一番の映画は久しぶりだ。客が5人しかいない。外は晴れ晴れしてて風も心地よかったし、さあどれどれと観たら、それまでのすがすがしい気分を蹴散らすかのような雨のオープニングで薄幸女の一代記の始まり。
その女を演じるのはもちろん中谷美紀。
『嫌われ松子の一生』1本だけですっかりこの手の役が板に付いた感があるが、本作でも結構な不幸っぷり。『松子』好きな方には結構楽しめるかも。華やかさではずーっと貧乏臭い話なので数段落ちるが、キャストも少ない分魅力的なキャスティングになってる。阿部寛は堤作品では常連なのでどうってことないのだが、サエない食堂のマスターに硬派のイメージが強かった遠藤憲一、主人公のオヤジに西田敏行。初登場シーンが警察にしょっぴかれるのだが、ブリーフ一丁。なのに貫禄があるのはこの人の他に思い当たらない。そして最も心憎いのは何かと世話になる隣のオバサンのカルーセル麻紀。60過ぎにしてようやく“オンナ”になれた甲斐があるほどのオバサンっぷりだった。
本作の監督である堤幸彦監督。出世作となった『ケイゾク』での奇抜な撮り方から「どう、斬新でしょ?」とでも言わんばかりの画作りに少々鼻についていけ好かなかった。しかしこのところ直球な方向に軌道修正している感じがする。前作『明日の記憶』でも直球のヒューマンドラマを撮り上げ、今回は直球のコメディ。かと思ったら『大帝の剣』なんて珍作(観てないくせに勝手に決めつけてみた。)なんてのもあったりするし。たぶんこの人は今後もあっちへ行ったりこっちへ行ったりとこれといった路線は決めず、貪欲にいろんなジャンル、作り方に手をつけていくんだろう。
映画がちょっと気に入ったのでホームページを覗いたらこんなものを発見。その名も「ちゃぶ1(ワン)グランプリ」。
大抵映画のホームページって「壁紙」とか映画関係のホームページのリンクとかといったオプション的なものが備わっているのが常だが、これはその名のとおり本作の見所である阿部寛のちゃぶ台がえしにちなんだゲームコーナー。
中身はちゃぶ台をひっくり返すだけという至ってシンプルなものだが、その回転数を稼ぐというもの。というわけでレッツプレイ!
カーソルをちゃぶ台の足下に合わせてマウスを押しながら画面上に向かってスクロールする要領だが結構難しい。何度かトライして6回目でちゃぶ台返し成功。回転数2回。爽快感ゼロ。何回かやって最高が200回を越えた。ランキング見たら「1位・5792回」だって。何やってんだろ私も含めて。
こんなものに熱中する暇人がこんなにいるんだって世の中広いわ〜。
『自虐の詩』オフィシャルサイト
http://www.jigyaku.com/index.html
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