2012年12月12日
【No.124】エクスペンダブルズ2

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’12/アメリカ/カラー/102分
監督:サイモン・ウェスト
出演:シルベスター・スタローン ジェイソン・ステイサム ジェット・リー ドルフ・ラングレン チャック・ノリス リアム・ヘムズワース ジャン=クロード・ヴァン・ダム ブルース・ウィリス アーノルド・シュワルツェネッガー
スタちゃんと愉快な仲間たちの殺戮行脚、とどまるところを知らず。シルベスター・スタローンが新旧のアクション映画の有志たちを集めて作り上げた『エクスペンダブルズ』の第2弾である。悪行の限りを尽くすヤツらの居所へ赴き、正義という名のもと情状酌量の余地なしにブチ殺していくスタちゃん率いる傭兵集団「エクスペンダブルズ」。悪ボスなどともかく、それぞれの人生があるであろうザコ兵たちの命など知るものか。敵であろうと「人を殺す」ということの陰鬱さなどどこ吹く風。“一仕事”終えたあとは行きつけのバーで瓶ビールを手に互いを労う。「モラル」という言葉など入る隙がないこれぞまさに70〜80年代のアクション映画特有の「バカ」さが凝縮された筋肉指数120%(“120%”というところがミソ)の痛快作であった。
さて、今回スタちゃん御一行が向かったのは東欧のとある寒村地域。墜落した輸送機に眠るある物質を回収するミッションを成功しかけたところを、そこで待ち構えていた武装グループに奪い取られてしまう。物資を取り返すべく情報をつかんで辿り着いたのはヤツらが本拠地をかまえる村。そこでは武力で狩り出された男や子供が強制労働に従事させられる一方で、悪行に震える残された女たちの姿があった。「口では黙っていても、この筋肉が黙っちゃいねぇ!」と言わんばかりに怒りの炎がメラメラと燃え始めたスタちゃん一行は武装グループに戦いを挑んでいくのであった。
今作も冒頭からスタちゃん一行は飛ばしに飛ばしまくる。前作にも増して弾薬と火薬がハンパねぇ〜。ア〜っ装甲車が敵地に突っ込むぞォ〜。おや、ジェットちゃんに入れ替わってチャイニーズ女が交じってきたぞ。マジかよ飛行機が胴体着陸だぁ〜。おっとチャックちゃんも出てきたよ。ステイサムちゃんのナイフさばきカッケぇ〜。お〜っと親指くわえてたシュワちゃんとウィリスちゃんもついに本格参入だぁ〜!撃って撃って撃ちまくれぇ〜っ!!つい熱くなって勢いだけで書いてしまったが、そんな感じで映画は進行する。とにかく細かいストーリーの穴を突っ込むことなど不要。そこを補うほどにふんだんに盛り込まれたアクションを堪能する。30オーバーの我々男性諸氏が胸を熱くしたあの興奮がこの映画にはあるのだ。そして20年前では考えられなかったスタローン、シュワルツェネッガー、ウィリスそろい踏みで銃を構えた3ショットには鼻血が出るかと思った。
前作を取り上げた項で私が苦言を申し上げた「スタちゃん一行強過ぎ」問題だが、今作ではかなり軽減されていた。というのは無敵を誇っていたスタちゃん一行に犠牲者が出るのである。物資を奪われる際に武装グループのリーダーの手によって。そりゃスタローンの怒りも一段と燃え上がろうというものだが、このリーダー役がヴァン・ダムなのである。贔屓にしている私はこれには感無量である。ビデオスルーばかりで長らく映画自体に呼ばれることが無かった彼が目の前のスクリーンに大写しになったときには射精するかと思った。そんな趣味は無いのだが、それぐらいうれしかったということだ。
しかし考えてみたら20年以上キャリアを積んできたベテランが揃いも揃って何やってんだかなぁという映画ではある。平均年齢にして49歳(実際に主要キャストを数えて割り出した。本当だよ)。もう何人かはおじいちゃんで動きにキレが無いし(その筆頭はもちろんシュワちゃん)。しかし相も変わらずやり続けようというスピリッツは誠に素晴らしい。それに加えてところどころに自虐ギャグを散りばめるという余裕。そこで散々イジられるシュワちゃん、チャック・ノリスファクト(アメリカ本国のネット上で盛り上がってるらしい自虐ジョーク)を披露するチャック・ノリス、そして思う存分にハイキックを繰り出す我らがヴァン・ダム。これらをスクリーンで観られた至福の102分を提供してくれたスタローンに感謝の念を抱かずにはいられない。ありがとうスタローン、ありがとう筋肉。

評価は…
☆ おもしろい ○まあまあ △つまらない ×クズ
の4段階評価です。
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Posted by イリー・K at 09:33│Comments(0)
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