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2006年10月06日

【No.001】ファイナル・カット

【No.001】ファイナル・カット

●2月10日鑑賞
’04/アメリカ/ビスタ/94分
監督:オマール・ナイーム 
出演:ロビン・ウィリアムズ、ミラ・ソルヴィーノ、ジム・カヴィーゼル


ロビン・ウィリアムズ。スタンダップコメディアン出身で数多くの映画に出演し、アカデミー主演男優賞を獲得した名優である。最近とんと見かけなくなったと思ったら興行的に小規模のこの作品にこの名前があった。メジャー作品の常連だった彼がこんなところに?少々不思議に思いながらも劇場へ足を踏み入れた。

今回の『ファイナル・カット』。結論から申し上げれば今まで私が観た映画リストからカットしたくなる作品である。近未来に人の一生を編集する男の話なんてリアリティが無くて興味に欠けるなぁと、さほど期待はしていなかった。しかしこの手の物には新進気鋭の若手監督がメガホンを取っているというだけあって拾い物が中にはある。予想を裏切る展開でグイグイと中に引き込まれるかもと思い蓋を開けてみたら逆に遠ざかるばかり。段々スクリーンから離れていって中央の席に座っていたのが後部席に追いやられたような感覚になってしまう程とまで言ったらクドいか。とにかくこの作品、ロビン演じる編集者(劇中では?カッター?と呼ばれる)が幼少時代のトラウマに悩まされながらもある故人のゾーイチップ(脳に埋め込まれ、全生涯を記録するモノらしい。)をめぐって起こる不可解な事件に遭遇するSFサスペンス………とまぁ大まかなあらすじを書いたが何と言ったら良いんだろうこのつまらなさ。

結局最後までリアリティが感じられなかったのも理由のひとつだが、描くポイントがそれぞれぼやけてしまっていてイマイチ伝わらなかったというのもある。ゾーイチップ誕生の経緯、それをメモリアルとして重宝する上流社会、それらに猛反対する団体、物語の中核となる事件、どれも描き方が中途半端で消化不良気味になってしまった。そして映画の終盤、主人公が長年抱えていたトラウマが?ある事?をきっかけに解決するのだがその?ある事?があまりにも呆気なくて微笑ましいくらい幼稚なので失笑してしまった。

それよりも久々に見た主演のロビン・ウィリアムズ。決して私は嫌いではないが、数年前まで、彼の“イイ人?役に対する飽くなき渇望を感じて閉口している時期があった。数々の善人役を演じ、『グッドモーニング・ベトナム』、『いまを生きる』などでアカデミー主演男優賞にノミネート。それで味をしめたのか以後もそのスタンスを崩すことなくコンスタントに善人を演じ続け遂に『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』でオスカーを手にする。更に彼の執着ぶりは頂点に達しユダヤ人、果てはロボットにまで手を延ばし、“イイ人?を通り越してしまった。「そこまで演るか!」とあまりのエスカレート振りに辟易。ところがその後どうしたのだろうか?神のお告げでもあったのか、『インソムニア』、『ストーカー』で急に悪役路線に変更。イイ人を演りすぎて、違和感あって観客に受け入れられなかったのかしばらく姿を見せず、ここに来て陽の当たらないような小品のサスペンスに出演。

一体どこへ行きたいんだろうかこの人は。次回作では時の大統領セオドア・ルーズベルトを演じるという。今後のロビンの動向が気になる。まぁ、静かに見守ることとしよう。


【No.001】ファイナル・カット
ボン評価は…
☆ おもしろい ○まあまあ △つまらない ×クズ
の4段階評価です。



Posted by イリー・K at 20:47│Comments(0)【ふ】
 
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