てぃーだブログ › 激烈シネマニアン! › 【お】 › 【No.023】男はソレを我慢できない

2006年11月17日

【No.023】男はソレを我慢できない

【No.023】男はソレを我慢できない

●9月2日鑑賞
’06/日本/カラー/ビスタ/91分 
監督:信藤三雄 
出演:竹中直人、鈴木京香、小池栄子、ベンガル


 このコーナーを始めて早半年が過ぎたが、私ってつくづく映画評を書くのに向いてない人間だと思う。今日もこうして原稿用紙のマス目を見つめたまま、10分が経過した。

このまま何も感想が浮かばなかった場合、いつものことながら本筋から離れた話題を持ってきて紙数を費やして逃げたりしている。挙げ句の果てには下痢に見舞われた話だけでまるまる1ページ埋めてしまう始末だ(第20号参照)。数ある求人誌の中で「肛門」なんていうのを載せたのは本誌が史上初であろう。何を自慢してるんだ私は。

 と、こうやって何も書けないという状況を14行に渡って書いたが、残りはまだたっぷりある。もう少し弱音を吐いておこうか。だが、ここはそんなことで皆さんにお付き合いして頂くページではない。ここは本腰を入れてコーナーの主旨に沿った内容をきちんと書かなければならない。いやぁ、映画評ってホント、むずかしいですね。

 『男はソレを我慢できない』は東京・下北沢を舞台に、DJタイガーとその仲間たちがソープランド建設をめぐって、騒動を巻き起こすというのが大まかなあらすじになっている。

 DJタイガーを演じるのは日本映画界で屈指の“一瞬出ただけでその場の雰囲気を自分色に変える”俳優・竹中直人。その他、鈴木京香からアンガールズ・田中までこれ以上ないほどの異色の顔ぶれが脇を固めている。温水洋一も出てるぞ。

 本作はバラエティに富んだキャスティングだけあって終始にぎやか。出演者はシモキタの町を縦横無尽に駆け回り、バカ騒ぎを繰り返しているのを見ていると楽しいが、イイところを強いて挙げるとしたらそれだけ。あとは全然つまんねぇ。まるで飲み屋で異様に盛り上がっている隣の席をハタから見てるみたい。「どうだい、オレたちこんなに盛り上がってるぜぃっ!」てな感じで見せつけられてもねぇ…。

 また劇中、画面の随所にテロップ(バラエティ番組でよく見かける字幕)を入れたり、突如歌唱シーンが登場したり、乱闘シーンを出演者の静止写真で表現したりと“遊び心が満載のつくりになってる”といえば聞こえはいいが、その分、ストーリーがお粗末になっていて、かえって雑に見えてくる。「この監督、映画をナメてねぇか?」と思ってしまうほどだ。

 そして何といっても竹中直人である。先の出演者紹介で触れたとおり、この映画でも“竹中直人色”が作品全体を支配している。まさに純度竹中100%。ここでも竹中は持ち前のサービス精神で、手を替え品を替え、ちょっとした小ネタをストーリーの合間に挟んでいる。パツキン女との別れ際、いっちょ前に吸っていたタバコをピンッと跳ね飛ばしたり、目を開けたまま、イビキをかいて寝たり、親友役の高橋克実とYMOのマネをしたりと、竹中マニアは必見だ。

 とにもかくにも、楽しいだけが取り柄のこの作品。酒を浴びるように飲んで、何でも無条件に受け入れられる無礼講状態になってから観るのが賢明であろう。

 それでは最後に関係ないことというか、業務連絡をひとつ。ここはあまり大っぴらには言えないのだが、先週のチケットプレゼントの応募総数がゼロを更新しました。私には当たらないと尻込みしているアナタ、今がチャンスですぞ!

 それとあともうひとつだけ。最後まで放っておこうと思ったが、ツッこまれる前にやっぱり触れておく。鈴木京香のようなのっぺり美人顔は描くと案外難しいことがわかった。イラスト描き終えて見てみたら、全然似てやしねぇ。なんか若返った倍賞美津子みたいになってしまった。


【No.023】男はソレを我慢できない
ボン評価は…
☆ おもしろい ○まあまあ △つまらない ×クズ
の4段階評価です。



Posted by イリー・K at 12:00│Comments(0)【お】
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。