2007年01月27日
【No.039】ストロベリーショートケイクス

● 12月23日鑑賞
’06/日本/カラー/127分
監督:矢崎仁司
出演:池脇千鶴、中越典子、中村優子、岩瀬塔子
1月7日、日曜日。県内各地で成人式が執り行われたこの日、私は懲りずにまた某ファーストフード店でこの原稿を書いている。それにしても私の2つとなりの席にいるノータリン男4人どものやかましいことよ。
店内に響かんばかりの大声で話の内容が私の席まで全部筒抜けだ。煙草をパカパカ吸ったりなんかして、この調子でもう2時間も居座ってやがる。しかし20歳を越えたいい大人が群れて延々喋っている図ほどはしたないものはない。そんなことは居酒屋でやれ。とか書いてたら一人、追加注文を取りやがった。それもホットコーヒー1杯。これでまだ粘ろうとはいい根性だな。
こいつらの態度にムカっ腹立てて、思わず原稿に怒りの丈をぶちまけてしまったではないか。
そんな最近の若者たちの図太い無神経さと同様に世の中にはわからないものが森羅万象いろいろある。そこで私にとっていちばんわからないものはなんだろうと、突き詰めて考えていったら、辿り着いたのは「女」であった。
今までの人生を振り返ってみると、まともに女性と向き合うなんて事はほとんど無かったような気がする。そう、あれは小学2年生のとき、初めて片想いを寄せる女の子がいた。その子はどちらかというとおとなしく、色白で優等生というまさにクラスのマドンナにありがちなタイプ。ほとんど接する事はなかったが、私は好きな子には敢えて意地悪をして気を引かせようとする人間だったので、ある日その子に愚劣な一言を浴びせたら、それを言うや否や、その子はそれまで見た事がない形相で私を睨みつけ、思いきりビンタを見舞ったのである。その時何を言ったかは、耳にキーンと残る痛さと殴られた事のショックで今となっては忘却の彼方である。「初恋の相手からビンタ」。これがトラウマとなって後の人生に引きずらない人はよっぽどおかしいだろう。そういうわけでそれ以降、度々気になる女性が現れたら、過去のトラウマで感情を封じ込め、今まで避けるように生きてきたのである。
そんな女を知らないでここまで来た私が選んだのは『ストロベリーショートケイクス』。魚喃キリコのコミック「strawberry short cakes」を原作に職業や年齢など異なる4人の女性を主人公に仕事や恋などの様々な悩みを抱えながらも前向きに生きようとする姿が描かれている。
映画を通じて女を知ろうなんて何ともおこがましい話ではあるが、私ももう28歳。いいかげん少しでも知らねばなるめぇと藁をも掴む思いで鑑賞に臨んだのだが、観終わったあと私はコレをひとりで観て本当に良かったと思った(つってもいつも観るのはひとりなんだけど)。もし連れがいたら、しばらく目を合わせられなかっただろう。そういう心境に駆られてしまうのはこの映画、性描写が生々しく、なおかつ露骨なのである。「それは余計だろう」というシーンがちらほら。私が求めていたものとのギャップがあって、「女を知ろう」とする欲求がいつからか吹き飛んでしまった。私の友人(女性)は不幸な事に友達一人とまだ親しくもない男性二人でこの映画を観てしまったらしく、場内が明るくなったあとは気まずい事この上なし。そのあと行った飲み屋でも会話は全く弾まず、そのまま家路についたそうだ。ご苦労様でした。
しかしこの映画、観てて少々戸惑ってしまうのは否めないが、そんなに悪くはない。わりかし観られる出来なので、もし、誰かと観たい場合は、恋人かあるいは何でも打ち明けられるオープンな間柄の人と観た方がいいとだけ忠告しておこう。

ボン評価は…
☆ おもしろい ○まあまあ △つまらない ×クズ
の4段階評価です。
Posted by イリー・K at 12:00│Comments(0)
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