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2009年08月12日

【No.083】セントアンナの奇跡

【No.083】セントアンナの奇跡

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’08/アメリカ/カラー/160分
監督:スパイク・リー
出演:クデレク・ルーク、マイケル・イーリー、ラズ・アロンソ




8月に入り、夏休み映画がすべて出揃ったようだ。しかしどれも観る気がしない。琴線に引っかからないモノばかり。こんなに心躍らない夏というのは初めてではないか。

ポケモンなどのアニメは例外として、『ボルト』や『モンスターVSエイリアン』などCGアニメは興味ないし、何作目なのかわからなくなった『ハリー・ポッター』は1作目からまともに観たことないし、『ノウイング』や『G.I.ジョー』はCG頼りっきりでどうも関心しないし、『トランスフォーマー リベンジ』なんて1作目のときに疲れたんで二度とご免だし、『アマルフィ/女神の報酬』は(織田裕二主演映画=フジテレビ制作)という図式が成り立っちゃってるから観るまでもない。そして『そんな彼なら捨てちゃえば?』に至っては、観る観ないの問題ではない。誰も観ないだろうと願わずにはいられない。何が男子禁制ムービーだ。予告編見て拳を握り締めたものだよ。観るヤツがいるとしたら”ガールズトーク”っつうのを好む女ぐらいなもんだろう。また困ったことにこの”ガールズトーク”が市民権を得つつある風潮にあるから、それに便乗してあんな軽〜いタイトルにしたんだろう。考案したであろう映画会社の女子宣伝担当らは会議室でお菓子でもつまみながら考えてたんだろうな。「イエ〜イ」なんつって両手でピースしている姿が目に浮かぶ。まぁそこまでバカではないにしても女同士で好き勝手に喋るのは勝手だが、そのノリを仕事に持ち込むな。いつかイタい目に遭うぞ。ま、それは刻々と近づいているがな。

女子宣伝担当らの処遇はどうでもいいとして今日紹介するのは『セントアンナの奇跡』。監督は『マルコムX』『インサイド・マン』のスパイク・リーだ。

一貫してアメリカ社会における黒人の映画を撮り続けていることで知られるこの黒人監督は、なんでも黒人描写が甘い映画には、のべつまくなしにイチャモンをつけることで有名らしい。このあいだ、クリント・イーストウッド(クリ爺)の「硫黄島二部作」で描かれていた戦場に黒人が出ていないなどと執拗に批判したら、寡黙を守っていたさすがのクリ爺も、あまりのしつこさに「黙れ!」と一蹴したと報じられていた。そんな手打ちに遭ったリー監督は面目躍如に打って出たのか(報じられた騒動以前にもう出来上がってたらしいが)、この『セントアンナの奇跡』は「硫黄島二部作」と同じ第二次大戦モノである。

現代ニューヨークで起こった殺人事件。犯人は年老いたマジメな男。犯行の動機を語る時、第二次大戦時、イタリア戦線にいた頃を懐古する。そうして話がさかのぼり、徐々に動機がわかってくるという仕組みだ。

タイトルにもあるとおり、本作のラストでは感動的な奇跡が待ち構えているが、私には冒頭での殺人のくだりの方が確率的に驚くべきことではないかと感じた。映画を観てもらえばわかるが、射殺した”ある男”にいつぞや会うかもしれんと、あの古い拳銃を毎日手入れして肌身離さず隠し持ち、いそいそと郵便窓口で勤しんでいたのか。その犯人の執念もさることながら、そこは世界最大の都市ニューヨークである。人口はケタ違い。ケンタッキー州などとは比べ物にならない。あんなに人が密集しているなかで偶然鉢合わせになるとは。あの”女神の彫像”の思し召しだからいいのか。実際にあったことだからいいのか。それがあってのラストの奇跡に着地するんだからそれでいいのか。まぁ、映画なんだしそこまでイチャモンつけるこたぁないか。書いてるうちに勝手に納得。


【No.083】セントアンナの奇跡
ボン評価は…
☆ おもしろい ○まあまあ △つまらない ×クズ
の4段階評価です。


Posted by イリー・K at 09:00│Comments(2)【せ】
この記事へのコメント
ことし公開映画すべてにイチャモンをつけている所に
完全復活を感じました。

この調子でがんばってください。
欲を言えば、批判した映画を見て、
さらに詳しくけなしてほしいです。
Posted by TVA at 2009年08月12日 20:45
TVAさんへ

いやいや別にここは、けなすコーナーではないんですよ。
結果的にそうなっているだけで。
ただ、予告編の時点で悪態つくところも見受けられますがね。
Posted by ボン桜板ボン桜板 at 2009年08月13日 14:03
 
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