【No.041】ラジニカーント★チャンドラムキ・・・

イリー・K

2007年02月10日 12:00



●1月5日鑑賞
’05/インド/カラー/166分 
監督:P・ヴァース
出演:ラジニカーント、プラブ、ジョーティカ、ナヤンタラ


 時期はもう2月に突入しているのになんだが、今日はお正月の話から始めさせていただきたい。
 年末年始にとった私の休暇は世間一般とほぼ同様5日間だった。当初この休みを旅行に充てたいと、これといった綿密な計画はなく漠然と考えていた。というよりも年末の編集の前倒し作業で忙しく計画なんぞ考える余裕がなかった。

なんやかんやで最終データの入稿を終えて、いざ目的地までの飛行機代をネットで見てみると、あまりのバカ高さにびっくり。そこまで財布の紐を緩める勇気がなく、やむなく断念し、結局この5日間にしたことは1日目=家の掃除とコラム執筆、2日目=家の掃除、3日目=友人とドライブ、4日目=美浜で映画3本ハシゴ、5日目=犬の散歩とコラム執筆という普段と変わらない休暇だった。5日間のうち2日をコラムに充ててしまうのが雑誌編集者の悲しいところ。

で、その中の3日目、思いもよらぬ幸運に巡り会った。別に観た映画にアタリがあったわけではない。思わぬ幸運というのはスターシアター系で本編の前に流れる「海賊版撲滅キャンペーン」のCMが変わっていたのである。

ご存知の方もいらっしゃると思うが、少女が流す黒い涙が水面に滴り落ち、できた波紋がどくろに変わるという「気味が悪い」の一言だけでは片付けられないあの憎っくきCMである。コレを観たら、海賊版撲滅に一役買おうという感慨なんてありゃしない。「このCMこそ撲滅すべきだろう」といつかはこのコラムで書かねばなるまいと息巻いてた矢先に訪れた思いがけないビックプレゼントであった。そんな私と同じく胸を撫で下ろしている読者の方がいらっしゃるはずである。ちなみに改良後の内容はどっかの有名なイラストレーター(名前忘れた)が描いた海賊版流出に繋がるケースのイラスト数点を映すだけのもの。これで撲滅に貢献できるかどうかは別として、内容変更に踏み切ったキャンペーン本部の選択は実に正しい。これで心おきなく映画が楽しめることだろう。

 どうでもいい私の身辺雑記はこれくらいにして作品の紹介である。

 今日は私自身初体験のインド映画『ラジニカーント★チャンドラムキ/踊る!アメリカ帰りのゴーストバスター』。タイトルが長けりゃ尺(時間)も長く「堂々165分」とチラシ裏に書いてある。?堂々?を付け足すところがどこか自慢げだ。それに加えチラシ裏には「ツッコミ所満載!余計なエピソード」とか「本編とは関係ないトルコの遺跡が登場する」といった紹介があり、完全にアラ探しがこの映画を楽しむ一番のポイントといわんばかりの自嘲的な宣伝意図が漂っている。本作を(たぶん)マジで作っているインドの制作者にとってはさぞ不本意であろう。

 歌あり、笑いあり、踊りあり、その他諸々の欲張りなほどてんこ盛りで2時間超のインド産娯楽映画(属に「タミル映画」と呼ぶ)。8年前『ムトゥ/踊るマハラジャ』でタミル映画ブームを日本に巻き起こした先駆者、ラジニカーントが本作の主役である。

本国では大スター(らしい)と崇められているだけあって扱いが物凄い。まわり(共演者やスタッフ)が主役に気ぃ遣ってるのかと思われるほどにもう冒頭から見せ場、見せ場の連続。アクションシーンなんかあんまりにも動きにキレがないもんだからカット割り等でごまかしてるところなんか笑っちゃった。そんでもっていろんなもの詰め込みすぎてるせいか粗いね、話が。でもそんなに飽きることなく165分過ごさせてもらった。って、この感想も前置き詰め込みすぎて粗くなっちゃいました。



ボン評価は…
☆ おもしろい ○まあまあ △つまらない ×クズ
の4段階評価です。

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